糖尿病と血糖値の関係は?

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糖尿病とは、血糖値が高い状態が慢性的に続く病気です。病気の進行や合併症を防ぐためには、正常値に近づけるようコントロールすることが重要です。本記事では、血糖値の基本的な考え方や、糖尿病の関係について解説します。

 

血糖値とは

血糖値は、血液中のブドウ糖濃度を指す数値のことです。通常は食事により血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンを分泌し、ブドウ糖がエネルギー源として使われるように手助けをします。健康な方であれば、一定の範囲内でコントロールされています。

 

一般的に、空腹時における血糖値は70110mg/dlが適正な範囲とされています。高すぎると脱水症状を起こしたり、糖尿病や心筋梗塞などの病気を発症したりするリスクがあります。

 

反対に、低すぎると冷や汗、動悸、集中力の低下が起きます。さらに重症化すると意識が消失したり昏睡を起こしたりして危険な状態に陥ることも。そのため、血糖値は常に正常範囲内におさめるよう努める必要性があります。

 

高血糖と食後高血糖の違いは?

血液内に糖分がとどまり続け、正常よりも濃度が高くなっている状態に、高血糖と食後高血糖があります。よく似た語句ですが、ここでは、これらの語句の違いについて解説しましょう。

高血糖

高血糖とは、血液中の血糖濃度が正常よりも高くなっている状態を指します。健康な方の場合は、空腹時血糖は8090mg/dlが一般的です。100mg/dl以上になると特定保健指導の対象となり、生活習慣の見直しが求められます。また空腹時血糖が126mg/dl以上になると、糖尿病の疑いが高くなるため、病院での詳しい検査が必要です。

 

高血糖になると喉の渇きや倦怠感などが起きますが、自覚症状がほとんどないまま進行し、気づいたときには重度の糖尿病になっていたケースも見られます。高血糖を改善するためには、担当医の指導のもと食事や運動などの生活習慣を見直し、必要に応じて薬物治療に取り組みましょう。

 

食後高血糖

食後高血糖とは、その名の通り食事をとったあとの血糖値が高いことです。食後は一時的に高くなりますが、健康な方の場合は2時間以内に正常値へ戻ります。しかし、2時間経っても正常値に下がらず140mg/dl以上ある場合は、食後高血糖だと診断されます。

 

一般的な検診では空腹時の値を調べるため、食後血糖は発見されにくいのが特徴です。そのため、気づかないうちに糖尿病が進行することがあります。

 

食後高血糖が繰り返されると血液が詰まりやすくなり、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクが高まります。検診で血糖値が高めだと指摘されたら、詳しい検査を受けましょう。

 

血糖値と糖尿病の関係性

糖尿病は、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気のことです。健康な方の場合はインスリンの働きにより、ブドウ糖が血液中に増えすぎないようにコントロールできます。

 

しかし、糖尿病患者はインスリンの働きが悪くなっているため、血液中のブドウ糖を適切に処理できません。ブドウ糖が血液中にとどまり続けると、血管が詰まりやすくなり、細胞に栄養の供給が行き届かなくなります。すると、網膜症、神経障害、脳梗塞、心筋梗塞、歯周病などさまざまな合併症のリスクが高まります。

 

糖尿病治療の目標は、血糖値を正常範囲内にコントロールし、健康な方と変わらない生活を送ることです。数値は食事内容、運動、薬、睡眠時間、体調などで変動するため、何が理由なのか把握することが大切です。原因を知ったうえで、血糖値の良好なコントロールへつなげていきましょう。

 

まとめ

糖尿病はインスリンが十分に作用せず、血糖値の高い状態が続く病気です。高血糖の状態が続くと症状が進行したり、さまざまな合併症がおきたりする可能性があります。また、食後高血糖は知らないうちに糖尿病が進行するリスクをはらんでいます。血糖値が高くなる原因をきちんと知ったうえで、生活習慣の改善や治療に生かしましょう。

記事の監修者

湘南台しらがクリニック院長 白神 敏雄のイメージ画像

理事長 / 院長 白神敏雄

日本外科学会専門医・日本透析学会会員・日本内科学会会員・日本医師会産業医

内科として糖尿病、高血圧、胃腸疾患の治療を医院では行っております。
京都の高雄病院の江部先生と連携し、糖質制限による糖尿病治療を行っております。